「値下げマン2」
2004年3月4日

 

 別にそのままいつものタイムサービスをやっていれば良かったのかもしれない。
 常にネタ(商品)を変えて、変化を与えてゆけばいい。それで消費者も喜び、店の売上げも上がるのであれば良かったのだろう。
 しかし、それではオレが満足しなかった。タイムサービスをもっと楽しく、もっとエンターテイメント性を持たせたくなった。
  実は、もうこの時には違うアイデアがオレにはあった。我が敬愛する直木賞作家の藤本義一さんの著書からヒントを得ていた。その著書は『商人萬歳』という長編小説。
  その中の主人公の若者が幾多の商売を経て、商売人として人間として大きく成長していくというストーリーだ。ここにヒントがあった。
 著書の中で「香具師」という存在が大きかった。最初、その若者は商売の話術を磨くために、香具師に弟子入りした。その巧みなトーク展開は清々しく爽快だった。
 また、若者はある露店商をしている時、群がる人々にジャンケンで販売してゆくという手法をとった。その店だけ異様な盛り上がりを見せていた。
 ジャンケンは古典的な遊びであるが実に公平なものだ。とても合理性に優れている。なぜか、人はジャンケンに勝つとすごく嬉しかったりする。不思議な儀式(?)だ。
 オレはこのジャンケンに目をつけた。いたって簡単なことだった。ジャンケンで抽選販売して、売り切れご免で買えない人にもチャンスを与えようと思った。
  また、従来の「定位置で行って客を待つ」というスタイルを一新しようと思った。ならば、移動(誘導)型タイムサービスにしようと思った。客は移動する主催者に付いてまわる、という設定にしたかった。
  そして、その主催者はあるキャラクターに扮するべきだと考えた。それが「値下げマン」であった。
 ベタなネーミングだが、こういうのは分かり易さがポイントだ。
 値下げマンを運営するにあたっては、店長・先輩・後輩・同僚の多大なる協力を得た。中には店が忙しくなって、嫌な顔をするヤツもいた。
 


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