「ニュースステーション」
2004年3月22日

 この4月、番組編成がある。
 テレビ朝日の看板ニュースショー『ニュースステーション』がいよいよ終着する。番組キャスターも久米宏氏から古舘伊知郎氏に変わるということは、周知のことである。
 『ニュースステーション』は非常に視聴率の高い番組で、国民への影響力が強い。これまで、さまざまな角度から話題を呼んで(読んで)きた。なぜ、ここまでウケた番組であるかは、いろんな理由があるらしい。
 久米氏曰く、これまでのニュース番組にはない編成、テンポとキレ味、だという(こまかく言うともっとあるのだが)。たしかにキャスターの原稿読みのスピードや場面転換のキレは他局と比べてみても全く違う。当初からのテーマであった、「中学生にも解るニュース」というのも納得だ。
 私は『ザ.ベストテン』世代というのもあって、久米氏には好感を持っていた。とにかくあの人のニュースの読み方は高度なアナウンス技術というよりも、もはや芸術的な域に達している。声の質、緩急、間のとり方はもちろん、すべてが群を抜いている。これまでのニュースと言えばNHK、というような風潮を変えていった。
 そんな中、久米氏のコメントの中にはいくつかの名言がある。氏独特の主張とテクニックだ。
 中でも代表的なのは、「できるだけニュース。」というコメント。ダチョウ倶楽部のリーダーがよくマネをするのもあって、誰でも耳に残っているだろう。これは、通常報道番組にはありえない「体言(名詞)止め」を使用している。
 書き言葉でも体言止めを使用するのはなかなか難しい。それを話し言葉で、巧みに表現していった。出来そうで、出来ない。
 体言(名詞)で一回切って、次の話題に持っていくというテクニックは、実に爽快で人を引き付ける何かがある。何と言うか、オ−トマチック車のギヤを、PからDに入れる時の感覚だろうか。一瞬、車がブルっと止まりかけ、次の瞬間ブレーキぺダルにグっと負荷がかかるというか。動いていることを実感できるというか、私には久米氏の話術にはそんなイメージが浮かぶ。
 体言止めを使用すると、どこか鼻につき、生意気なイメージが醸し出される。初対面の人などには、あまり印象が良くない手法だ。だが、氏はそれを率先して使っていった。長いお付き合いするにあたって、第一印象はあまり良くない方がいいなどと言われるが、氏はそのことを分かって使っていたんだろうか。それとも「〜です。」と言って締めない0コンマ何秒にもこだわったのだろうか。
 氏は『ニュースステーション』の中で、自身の位置づけをキャスターではなく、司会者としていたらしい。ニュース番組の進行役と考えていたらしい。というのも、自分はある程度第三者的にものを言いたかったらしい。どこか、いい意味での無責任さみたいなものが表現されていた。彼のキレ味の要素だったのかもしれない。
 そんな久米宏ショーが見れないのは、どかこ寂しい。
 あるテレビ局のプロデューサーの結婚披露宴を古舘氏が司会をして、その席で、久米氏が祝辞を担ったという話がある。後で、古舘氏は久米氏のその祝辞の内容を大絶賛していた。その内容は古舘氏の著書『喋らなければ負けだよ』に書いてある。これまで何百回と結婚式の司会などしてる私が見ても実に素晴らしいと思う。「品・格・キレ」三拍子そろったスピーチだ。世の中の社長さん達は、自分の会社のアピールはほどほどに是非、これを見習ってほしい(笑)。
 久米さんから古舘さんにバトンが渡される。これからはおしゃれカンケイ的なNステを期待したい。ちなみにこの原稿は、U2の『Where The Streets Have No Name』を聴きながら書いた。
 では、できるだけゴトウライタ。


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